『副館長の読書歴』 その10





連載10回目を迎えることができました。なぜか月曜日は閲覧数が伸びるという・・・楽しみにされている方がいらっしゃるのですね。
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『わんぱく時代(佐藤春夫)』
佐藤春夫さんが大好きな檀一雄さんの師匠ということで読んだのがこの本です。かつて、街なかに本屋がたくさんあり、学校帰りによく立ち寄っていた本屋で単行本として出版されていた「わんぱく時代」を偶然見つけて購入しました。
今でも当時の本を所有していて、何度も読み返しています。佐藤春夫さんは、文学が大衆化される直前の、まさに芸術であった最後の世代だと思っています。詩人だけあってその作品の一つ一つが、とてもリズミカルで、しかも平易な言葉が使われており、連作の絵画をみているような感覚を覚えます。