『佐賀県近世史料』に収載予定の「自警」について(№3)

2013年01月01日

 佐賀県立図書館 at 11:25 | Comments(0) | 佐賀県近世史料
 引き続き、『佐賀県近世史料』に掲載予定の「自警(自らをいましめる)」をご紹介します。
 今回は“自警之四”、古賀穀堂が考える「読書」についてです。
 世の中にあふれる多くの情報をいかにして収集し、処理し、自らの知識として活かしていくかということは、情報化社会を生きる私たちにとって大切なことですが、中でも「読書」は、昔も今も変わらず、その一つの手段として最も重要視されるものです。
 江戸時代を生きた穀堂は、この「読書」についてどのように考えていたのかご紹介しましょう。


○自警
■自警之四
 看書太雑之病未除、此是大病根、須深沈緒密、専一精確、勿雑看群書、勿閑看、勿疾看、勿倦看、勿浪看、勿貪看、窮究道理、必到十分処、昼尋夜思、期真得諸心而後已、審定言辞、和緩精詳、條理昭晰、勿疾、勿慢

【解釈】
 余、書を看るに太だ雑駁である。この大病根除去せねばならぬ。落ち着きて精密に、専一に精確なる事が肝要である。群書を雑看してはならぬ。閑つぶしに看てはならぬ。速見してはならぬ。いやいやながら看てはならぬ。気を付けずに看てはならぬ。余計に貪り看てはならぬ。道理を尋ねては必ず十分の處に到達することが肝要である。昼は尋ね夜は思い、真に諸を已に得て、而して後に已むを期せよ。書中の文辞の品定めをするには、宜しく和緩(寛大)にして精詳(緻密)なれ、條理を昭晰せよ。憎んではならぬ。慢ってはならぬ。

読書




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